子宮体部明細胞癌培養株(TMCC-2)の樹立とその性状
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概要
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子宮体癌における明細胞癌は頻度は低いが, 臨床的に予後不良のことが多く, 早期診断, 治療の確立が望まれている. 今回筆者らは, 子宮体部明細胞癌培養細胞株の樹立に成功し, その細胞生物学的特性について検討した. 培養材料は子宮体部癌患者の手術標本を用い, 細胞分散法による初代培養後, cloningすることなく株化に成功した. 現在までに40回の継代に成功している. 単層培養細胞は多稜形で細胞質内空胞を有し, 2〜3個の核小体を認め, 容易に pile-upし, PAS染色, Diastase-PAS染色による観察で細胞質内にグリコーゲンの存在が示唆された. 倍加時間は24時間, 細胞密度は 1.8×10^5個/cm^2, コロニー形成率は23%であつた. DNA indexは1.03で低2倍体領域にモードを示した. また, 腫瘍マーカーについては TPA, CA125, CA19-9の産生を認めた. 更にヌードマウスヘ移植可能であり, 移植腫瘍は原腫瘍に極めて類似した組織像を呈した. HLA typingにおいては, class I抗原の発現を認めたが, class II抗原については検出されず frame-workも検出されなかつた. MTT assayを用いた制癌剤感受性試験では methotrexate, vincristineに感受性を認めた. 新樹立株TMCC-2は, 子宮体部明細胞癌の細胞生物学的研究並びに治療法の基礎においても今後多剤併用, in vivoでの有用性を含めた検討を加えるうえで極めて有用であると考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1991-07-01
著者
-
坂本 優
佐々木研究所附属杏雲堂病院
-
天神 美夫
佐々木研究所附属杏雲堂病院
-
佐藤 博
東京医科大学産婦人科学教室
-
永田 順子
東京医科大学病院産科婦人科学教室
-
岡部 一裕
東京医科大学八王子医療センター 産婦人科
-
鈴田 達男
東京医科大学血清学教室
-
岩渕 浩之
東京医科大学産婦人科学教室
-
作永 穂高
佐々木研究所付属杏雲堂病院婦人科
-
坂本 優
東京医科大学産婦人科学教室
-
奴田原 裕一
東京医科大学産婦人科学教室
-
佐藤 博己
東京医科大学産婦人科学教室
-
根岸 能之
東京医科大学産婦人科学教室
-
杉田 道夫
佐々木研究所付属杏雲堂病院婦人科
-
杉下 匡
佐々木研究所付属杏雲堂病院婦人科
-
岩渕 浩之
佐々木研杏雲堂病院
-
杉田 道夫
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
永田 順子
Department Of Obstetrics And Gynecology Tokyo Medical University
-
永田 順子
東京医科大学産婦人科
-
永田 順子
東京医科大学 産婦人科
-
永田 順子
東京医科大学 第3外科
-
根岸 能之
東京医科大学産科婦人科学教室
-
根岸 能之
東京医科大学 産婦人科
-
作永 穂高
杏雲堂病院
-
岡部 一裕
東京医科大学産科婦人科学教室
-
岡部 一裕
東京医科大学八王子医療センター
-
佐藤 博巳
東京医大
-
根岸 能之
東京医科大学
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