胎児腹部の縦径及び横径と生下時体重との相関について

概要

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分娩誘発を行う前に,妊娠37週から41週までの妊婦200名に対し,超音波診断法により胎児腹部の縦径および横径を測定し,生下時体重との相関性を求め,次のような結果を得た。1)その相関性を求める前に,分娩後6時間から12時間までに,出産児の大横径,頭囲,胸囲,腹囲,坐高を実測し,出産児体重との相関性を求めた.その結果,大横径0.66,頭囲O.71,胸囲0.85,腹囲0.81,坐高0.66の相関係数を示し,胸囲,腹囲の順に高く,大横径は最低値を示した.2)超音波診断法により,胎児の頭部,胸部,腹部,頭殿長を測定したが,超音波によって描き出される像の大きさ,鮮明度などを考慮に入れると,胸部,頭殿長は不適当と思われる、これに反して,頭部大横径,腹囲の縦径及び横径は,その測定が比較的容易である。3)胎児の頭部大横径は,測定は容易であり,実測値との誤差も謹少であるが,生下時体重との相関係数はO.62と低かった.腹部縦径および横径の測定は,軟部組織のため測定しにくい点もあるが,check pointを正確に行えば,比較的容易であり,出生時体重との相関係数も非常に高くO.87であった。以上の結果,臨床上出生児の体重の推定には胎児の縦径および横径を測定する方法が,現在ではよりよい方法と思われる
1982-01-01