防衛医大方式の計画分娩における適用基準の変遷と実施成績に関する統計学的検討
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概要
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防衛医大病院産婦人科では,昭和52年12月の開院以来,産婦全員計画分娩(監理分娩)を原則として分娩予約を受けつけている.昭和53年1月1日から55年7月31日までの分娩総数(誘発例818,非誘発例729,誘発からの帝切移行例88)に関する臨床統計学的検討を行つた.初年度は頚管成熟度を重複して分娩誘発時期を決定したが,予定誘発時以前に分娩の開始する非誘発例が52.4%(154例)であつた.それらの新生児体重は3,052.6±33.4g(mean±SE)であつた.そこでこれらの分娩前の所見をretrospectiveに分析した結果,昭和54年1月以降の誘発時期決定には,妊娠週数38週以上,子宮底長32cm以上を基本条件とし,超音波BPD9.0cmを参考条件として,頚管成熟度因子は条件からはずすことにした.そして頚管未成熟例(Bishop score<5)には誘発に際しラミナリア桿による前処置を行うことにした.なお陣痛誘発剤にはPGE_2経口錠とF_2α点滴静注を用いた.その結果非誘発例は減少し,非誘発例の児体重は2,970.6±18.5g,n=577となつた.なお誘発例の児体重は全期を通じて3,138.8土12.3g,n=818で,誘発分娩を行わない施設の児体重3,145.8±22.4g,n=451と差はなかつた.初産婦誘発例の分娩時刻は午後2.04±18時,n=358,(そのうちラミナリア使用例は午後2.16±0.21時,n=214),また分娩所要時間は8.0±0.3時間で,ラミナリア使用例,非使用例とも5時間台にピークを有する近似したパターンを示した.分娩時出血量,新生児Apgar scoreについても誘発例,非誘発例の間に,またラミナリア使用例,非使用例の間に有意差はみられなかった.以上より,頚管成熟度を考慮せず、妊娠週数と子宮底長を分娩誘発時期決定の基本条件とし,ラミナリア前処置,PGsによる陣痛誘発を基本方針とするわれわれの分娩誘発法は,計画的日中分娩のための安全で確実な方法であることが認められた.しかし,さらに研究を重ね,最終的には分娩発来機構を解明し,且つ完全な計画分娩を完成させたいと考えている.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-12-01
著者
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古谷 健一
防衛医大
-
古谷 健一
防衛医科大学校産科婦人科
-
永田 一郎
防衛医科大学校分娩部産婦人科教室
-
牧村 紀子
防衛医科大学校産科婦人科
-
黒田 浩一
防衛医大
-
菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科
-
牧村 紀子
防衛医科大学校 産科婦人科学講座
-
古谷 健一
防衛医科大学校 産科婦人科
-
小林 充尚
防衛医科大学校
-
黒田 浩一
防衛医科大学分娩部
-
石田 雅己
防衛医大
-
関 克義
防衛医科大学校産婦人科
-
須永 光
防衛医大
-
関 克義
防衛医科大学校 産婦人科
-
加藤 宏一
防衛医科大学校 産婦人科
-
永田 一郎
防衛医科大学
-
木沢 功
防衛医大
-
高橋 興一
防衛医大
-
木沢 功
防衛医科大学校
-
小林 充尚
防衛医科大学
-
上里 忠彦
愛和病院
-
上里 忠司
愛和病院
-
石田 雅己
防衛医科大学校産科婦人科学教室
-
須永 光
防衛医科大学校産科婦人科学教室
-
上里 忠司
防衛医科大学校産科婦人科学教室
-
高橋 興一
防衛医科大学校産科婦人科学教室
-
小山 栄子
防衛医科大学校産科婦人科学教室
-
小山 栄子
防衛医大
-
菊池 義公
防衛医科大学校
-
須永 光
防衛医科大学校
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