更年期不定愁訴症候群の背景にある心理社会的要因
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概要
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概要 更年期不定愁訴症候群(以下、「更不群」)の心理社会的要因を明らかにするために、宮城県内に居住する「更不群」婦人にアンケート調査を行い、その中から216名を選ひ、ケースとした。また、コントロールを選ぶために、宮城県内に居住する一般の更年期婦人に同しアンケート調査を行い、何らの疾患にも罹患していないと考えられる639名をコントロールとした。年齢をマッチさせた216マッチト・ペアを作製し、オッス比を計算して相対危険度の推定値とし、MCNemarの方法で統計学的有意性の検定を行つた。また、これらのペァを解いて2xnのχ2検定により各項目間の関連度を検討した。上述の方法てケース・コソトロール研究を行つた結果、「更不群」全体てぱ、統計学的に有意に高い相対危険度をもつ項目ぱ、1)社会的因子に関する項目でぱ、「親友少数」、「低学歴」、「世帯主の単純労働従事」、「本人の職業従事」、2)心理的因子に関する項目てぱ、「不健康感」、「生き甲斐喪失」、「周囲の人達の不当評価」、「現在の生活に不満」、「今後の生活の不安」、「家族またぱ社会に対する自責感」であつた。また、これらの項目間の関連を検討すると、社会的因子に関する項目群と心理的因子に関する項目群との間てぱ、1)「低学歴」と「現在の生活に不満」あるいぱ「不健康感」、および2)「親友少数」と「生き甲斐喪失」あるいは「今後の生活の不安」との間に統計学的に有意な関連がみられた。これらの成績から、「更不群」の心理社会的要因を構成している基本的なものは、1)低学歴・低所得世帯に関連する因子と、2)集団内安定欲求の充足が低いことに起因する因子てあると考えられた。さらに、「更不群」を重症型と軽症型とに分けて検討すると、両因子のうち前者ぱ重症型において、後者ぱ軽症型において、それそれ、特長的であることが明らかになつた。
- 1986-12-01
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