外陰疾患におけるHuman Papillomavirus DNAの局在 : In situ Hybridizationによる検討
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概要
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外陰疾患におけるヒトパピローマウイルス(HPV) DNA局在をビオチン標識したHPV 6型, 11型, 16型および18型DNAプローブを用いたin situ hybridizationから検討し, 外陰疾患におけるHPV 感染と, その発癌との関連性を考察した. 対象は尖圭コンジローマ18例, 非異型増殖性ジストロフィー3例, 硬化性苔癬4例, Bowen様丘疹症4例, Bowen病1例と外陰扁平上皮癌8例であり, 以下の成績を得た. 1)外陰尖圭コンジローマ18例中17例の94.4%にHPV 6型ないし11型DNAを検出し, 6/11型に加え, 16型や18型の陽性例をそれぞれ3例と1例認めた. 2) 非異型増殖性ジストロフィー, 硬化性苔癬の症例では今回いずれの症例でもHPV DNAは検出されなかった. 3) Bowen様丘疹症では4例中3例にHPV 16型DNAを, Bowen病ではHPV 18型DNAをそれぞれ異型細胞やkoilocytosisの核に認め, 16型陽性のBowen様丘疹症2例は, 後に子宮頚部上皮内癌が発見され, 同じくHPV 16型が検出された. また, 外陰扁平上皮癌8例中1例にHPV 16型, 2例に18型DNA, 1例に6/11型DNAを腫瘍細胞の核に検出した. 以上より, 外陰疾患においてもHPV DNAの証明される症例があり, とくに外陰癌やBowen病, Bowen様丘疹症ではHPV 16型や18型DNAが検出され, HPV DNAの検索が子宮頚部同様外陰疾患においても発癌との関連性で今後, 慎重な検討の必要性を認めた.
- 1990-07-01
著者
-
永井 宣隆
広島大学医学部産科婦人科学教室
-
谷本 博利
広島大学医学部産科婦人科学教室
-
藤原 篤
広島大学医学部産科婦人科学教室
-
谷本 博利
広島市立安佐市民病院
-
太田 さなえ
広島大学医学部産科婦人科学教室
-
藤原 篤
厚生連尾道総合病院産婦人科
-
藤原 篤
広島大学医学部産科婦人科
-
藤本 英夫
広島大学医学部産婦人科
-
木岡 寛雅
広島大学医学部産科婦人科学教室
-
藤井 恒夫
広島大学医学部産科婦人科学教室
-
藤本 英夫
広島総合病院
-
谷本 博利
麻田総合病院産婦人科
-
谷本 博利
国立呉病院・中国地方がんセンター産婦人科
-
藤井 恒夫
独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター婦人科
-
太田 さなえ
広島大学医学部産科婦人科
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