1歳未満で診断された神経芽腫537例の検討 : 第2編:原発腫瘍,転移,組織型,検査所見について
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概要
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1歳未満で診断された神経芽腫例の臨床像,治療の現状を把握し集学的治療の確立をはかるために全国アンケート調査を施行し,集計された537例の原発腫瘍,転移,組織型,検査所見について検討した. 原発腫瘍 (初回全摘出術例) の重量の平均は I+II 期では,マス・スクリーニング (Mass Screening) で発見された例 (MS 例) が44.8g (204例), MS 以外の例 (MS 以外例) が87.9g (37例) であった. 局所浸潤ありが MS 例41% (140/339例),MS 以外例57% (81/143例),遠隔転移ありが MS 例52% (181/350例),MS 以外例73% (128/175例) であった. 組織型では神経節芽細胞腫24% (125/511例),神経芽細胞腫76% (386/511例) で,原発部位による差はなかった. 円形細胞型は MS 以外例では III+IV A+IV B 期に多かった. 尿中 VMA (vanillylmandelic acid) 値が25μg/mgCr 未満の例は MS 例18% (59/336例),MS 以外例22% (18/82例),HVA (homovanillic acid) 値が35μg/mgCr 未満の例は MS 例26% (86/332例),MS 以外例20% (16/79例)であった. マーカーとしての感度は VMA,HVA が高く,ついで NSE (neuron specific enolase) であった. VMA 値,HVA 値は腫瘍重量と相関があった. NSE,Ferritin,LDH が高値を示す MS 以外例は,III+IV A+IV B 期または IV S 期が多かった. 1歳未満例では,原発腫瘍が小さくても局所浸潤や遠隔転移のある例が多かった.発見経路別には MS 以外例にくらべ,MS 例は原発腫瘍が小さく局所浸潤や遠隔転移が少ない例が多かった.
- 日本小児外科学会の論文
- 1993-10-20
著者
-
沢田 淳
京都府立医科大学小児科
-
松村 隆文
京都府立医科大学小児科
-
四方 卓磨
京都府立医科大学小児科学教室
-
松田 義和
京都府立医科大学小児科
-
松田 義和
福井愛育病院小児科
-
松村 隆文
京都府立医科大学 小児科
-
沢田 淳
京都府立医科大学
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