非平衡系としての神経膜
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概要
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神経の自発的反復興奮状態ならびにこの状態近傍の様相を電気生理的手法によって研究した. 膜電位ゆらぎの空間的な相互相関スペクトルの測定によると, この状態に近づくにつれ, ゆらぎの周波数は単一となり且つ神経全体(6cm)でコヒーレントとなることが明らかとなった. すなわち, 神経全体での空間的なコヒーレンシーが極めて良くなった極限状態として自発的反復興奮が実現する. この状態では興奮・静止が神経全体で同期して繰り返されているのでなく, 局所的な場所にペースメーカが存在し, このところから一定のリズムで活動電位が発生してくることが判った. さらに自発的反復興奮状態ならびにその近傍において, 熱対流に対応するマクロな溶液の流れが存在することが実験的に示唆されている. 以上のような実験結果は, いずれも神経が非平衡系である為の特徴である.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 1979-01-05
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