家庭科教育における水汚染の教材化 : 教育学部学生を対象に (<特集>教科教育)
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概要
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[はじめに] : 家庭科の目標は家庭生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てることであるが、従来、家庭科教育の視点は各家庭内における生活の充実・向上を優先的に考える方向にあった。しかし、今日、地球的規模で環境汚染が進んでおり、家庭生活は環境との相互作用の中で成り立っていることが一般的に認識され、今回の改訂によって家庭科の学習内容は環境保全の視点に立ったものに変わってきた。 環境教育とは全教科的に行われるものであるが、家庭科としての教科の特徴をもって果たせることは毎日の生活の中で何気なく見過ごしているものを環境と関連付けて意識化させ、日常生活の中で実践的な環境保全ができるようにすることであると考えられる。特に水汚染とごみ問題は衣食住すべての分野にわたる環境問題であることを教師自身が認識し、これらの視点をもって授業を行うことが必要である。 今回は本学教育学部の学生を対象に、家庭生活を水汚染の視点から再考させ、環境問題に対する意識を高めることをねらいとした授業を試みた。具体的には、水汚染の要因の把握を導入とし、BODなどの科学用語の理解をさせ、その上で、山口市の水汚染の実態を示した。次に、調理実習を行い、その際の排水の汚染度を測定する実験を行った。この体験は小・中・高等学校の家庭科で必ず行われる調理実習を指導する際にも有効に活用できるものと考えたからである。この教材の評価は授業後、学生を対象に水に関する意識・行動変化の調査や自由記述の結果から行った。授業内容とこれらの結果を以下に述べる。
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