脳卒中片麻痺患者の最大歩行速度の決定因 : 歩行訓練期間の影響
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概要
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脳卒中発症後6ヵ月以内の男性脳卒中片麻痺患者54例(年齢:28〜81歳)を対象として,8週間以上のCAGTプログラムによる歩行訓練を行い,毎週1回最大歩行速度を測定した.対象者を訓練開始時の最大歩行速度により,遅い群(18例,9.9±2.8m/min),中間群(18例,37.3±12.9m/min),速い群(18例,78.4±15.2m/min)に分けた.各群の訓練開始時と8週後の最大歩行速度,両足圧中心移動距離,前後および左右方向への随意的重心移動距離,患側および非患側の等運動性膝伸展筋力を比較し,これらの変数間の関連を検討した.逐次重回帰分析により歩行訓練開始時および8週問後における最大歩行速度の決定因を求めると,開始時に遅い群では年齢,中問群では前後方向重心移動距離比(対足長)であり,速い群では有意な変数はなかった.8週後には決定因は3群とも患側膝伸展筋力だけとなった.脳卒中片麻痺患者の最大歩行速度はこれらの生体力学的要因だけでなく,訓練期間や日常生活における歩行経験の有無によっても影響されることが示唆された.
- 社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
- 1994-05-18
著者
-
鈴木 堅二
帝京大学医学部附属市原病院リハビリテーション科
-
半田 健壽
東北大学医学部附属病院リハビリテーション部
-
鈴木 堅二
東北大学医学部肢体不自由学
-
工藤 浩一
東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設
-
半田 健壽
東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設
-
半田 健壽
東北大学 大学院
-
中村 隆一
東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設
-
山田 嘉明
宮城大看護学部
-
山田 嘉明
東北大学医学部高次機能障害学研究室
-
鈴木 堅二
東北文化学園大学 医療福祉学部
-
宮 秀哉
東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設
-
若山 由香利
東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設
-
中村 隆一
東北大学医学部附属リハビリテーション医学研究施設 障害学部門
-
宮 秀哉
秋田県立リハ・精神医療センター
-
中村 隆一
東北大学医学部付属リハビリテーション医学研究施設
-
中村 隆一
東京都神経科学総合研究所
-
鈴木 堅二
東北大学医学部リハビリテーション医学研究施設
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