ファジイ論理に基づくダイズ草姿評価

概要

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ダイズ育種において,草姿はひとつの選抜指標である。現在,育種家の目視による草姿判別が行われているが,長い経験を必要とする上,主観に依存する判断の不安定性も指摘されている。これまでに,画像解析によって得られた18の草姿特徴量を変量とする統計的判別分析による草姿評価モデルが提案された。しかし,モデルの構造が不透明で育種家の経験的評価との対応が困難である点や,それらの草姿特徴量が正規分布することを仮定してしまうことの危険性などが問題点として指摘されている。本論文は,分布型の制約がなく,モデル構築の過程で人間の実際の判断との対応がつけやすいファジイ論理によるダイズ草姿評価モデルについて報告する。採用したファジイ論理は以下の通りである.すなわち,育種家に相談しながら上記の18の草姿特徴量から2組討4特徴量を選び,それぞれの組でファジイルール・セットを作る。さらに,それぞれからの出力で新たなファジイルール・セットを作りその出力を草姿判定基準とするものである。ルールセットの最適化を行った結果,モデルの判定と育種家の間の一致率は選抜される(「草姿良好」)個体で76%,棄却される(「草姿並」または「草姿悪」)個体で76%であった。ファジイ論理による判別効率は同じ特徴量に基づいて行われた相互検証判別よりやや良好であった。さらなる,判別効率の向上には他の特徴量の追加やルールセットの再構築などが必要である。
日本育種学会の論文
1997-09-01

ファジイ論理に基づくダイズ草姿評価

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