日最低・最高気温の統計値における日界変更の影響
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概要
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日界とは,気象観測における1日の区切りの時刻である.日本の気象観測における日最低・最高気温の日界は,現在は00時であるが,1953∼63年は日最低気温について09時であり,1939年までは多くの地点で22時であった.こうした日界の違いが統計値に与える影響を,アメダスの毎時資料を使って調べ,以下の結果を得た.(1) 09時日界による日最低気温は,00時日界の値に比べて高い傾向がある.偏差の大きさは,全国平均の年平均値で0.41℃である.(2) 22時日界による日最低気温も,00時日界の値に比べて高く,偏差の大きさは全国平均の年平均値で0.17℃である.(3) これらの偏差は,気温の日変化特性と日々変化の大きさに依存し,季節や地域によっては上記の値の2倍を超えることもある.(4) 09時・22時日界による日最高気温の偏差は小さい. また,過去100年間の日最低気温の経年変化率を計算する場合には09時日界よりも22時日界による偏差のほうが影響が大きく,地点や季節によっては0.4℃/(100年)に達する評価誤差を生じ得ることが指摘された.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1999-12-31
著者
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