アルファルファの形態的形質と生体外消化率との関係 : I.生体外消化率の遺伝変異
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概要
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アルファルファの消化率(生体外)の遺伝変異および消化率と形態的形質との関係を明らかにする目的で、カナダGuelph大学育種圃場の11品種および10栄養系を用いて試験した。1970年に各個体の開花始めに刈取り、葉部と茎部に分けて別々に消化率を求め、これらの値より地上部(葉部+茎部)消化率を計算した。試験結果は次のとおりであった。(1)葉部消化率を除くすべての形質において供試品種間に大きい変異が認められ、中でも植物重に関与する形質では1番草および2番草とも著しい変異が認められた。(2)葉部消化率の全供試品種の平均は1番草で77.2%、2番草で78.1%と差がなく、変異係数についても1番草と2番草の間に差が認められなかった。しかしながら品種間には1番草、2番草ともに有意差が認められた。茎部消化率の全供試品種の平均は1番草で52.7%、2番草で57.9%を示し、2番草は1番草に比較して約5%高かった。一方茎部消化率は葉部消化率に比較して、1番草で25%、2番草で21%低かった。茎部消化率の変異係数は1番草で7.7%、2番草で6.7%を示し、これらは葉部消化率の変異係数に比較して約2倍であった。全体の消化率は、葉部と茎部両方の影響を受けるが、割合も、変異も大きい茎の影響がより大であった。(3)葉部消化率の遺伝子型分散の全分散に対する割合は非常に低かった。一方茎部消化率の遺伝子型分散の割合はかなり高く、全体の消化率の遺伝子型分散も茎部の影響を受け、かなり高かった。
- 日本育種学会の論文
- 1973-04-30
著者
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