アルファルファの形態的形質と生体外消化率との関係 : II.他形質との相関に基づく生体外消化率の選抜
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概要
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前報で、アルファルファの消化率の遺伝変異について報告したが、本報では消化率と形態的形質との相関を求め、消化率の効果的な選抜の資に供する目的で第1報と同じ材料を用いて試験した。得られた結果は次のとおりである。(1)葉部および茎部消化率と植物重との間には負の相関が認められたが、相関係数は低かった。一方個体全体の消化率と葉部割合との間に正の相関が認められた。(2)消化率の高い上位25個体の消化率の平均は全個体の平均より約7%高かったが、これら25個体の植物重の平均は全個体の平均よりかなり減少した。一方植物重の大なる上位25個体の植物重の平均は全個体の平均の約2倍を示した。しかし、これら25個体の消化率の平均は全個体の平均よりわずかに減少した。個体重の優れた上位25個体の集団では消化率と可消化重量との相関は正であり、消化率と葉部割合との相関はかたり高かった。(3)植物重を犠牲にしないで消化率の高い個体を選抜するためには、多葉性を考慮しながら、植物重、耐病性、開花期等の農業上有用な形質についてまず選抜し、その後にこれら選抜された系統について消化率の選抜を加えるのが妥当と考えられる。
- 日本育種学会の論文
- 1973-06-30
著者
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