秋播コムギにおける春化要求度の遺伝子分析
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概要
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秋播コムギ品種問の交配によって春化要求度に関する遺伝子分析を行った。その結果,秋播コムギの春化要求度に関する品種問差異は主として2つの主働遺伝子対(AaおよびBbと仮称)に起因することが明らかにされた。Aaは20日間の春化要求を持つ品種と40日以上の春化を必要とする品種との差を支配する遺伝子対であり,春化要求の小さた特性は春化要求の大きな特性に対して不完全優性である。一方,Bbは40目問の春化要求を持つ品種と60日以上の春化を必要とする品種との差を支配する遺伝子対であり,Aaと同様に,春化要求の小さな特性が春化要求の大きな特性に対して不完全優性であるが,その優性度はAaの場合より弱い。今回の実験では,AaとBbとが複対立遺伝子関係にあるか否かおよび,Vrn遺伝子群との関係は不明であり,今後の検討課題である。これらの主働遺伝子以外にも微働遺伝子が春化要余度の品種問差異に関与している場合もある。すたわち,60目の春化を必要とする赤鋳不知1号と40目の春化を必要とする品種との差は微働遺伝子群の累積効果によるものと考えられる。
- 日本育種学会の論文
- 1980-03-01
著者
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