ビールオオムギにおける穂型および粒の外観と麦芽品質との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ビールオオムギの麦芽品質を初期世代に選抜する方法の一つとして,穂型および粒の外観を指標とした選抜の可能性を検討した、材料は良質系統である新田二条1号(現:はるな二条)を片親とした3組合せのF_3,F_4,F_5世代である.穂型の指標としては粘着密度を,粒の外観の指標としては穀皮のしわの多少を用いた、穀皮のしわは観察によるパネル判定によって行ったが,パネラー間の順位相関は,初期世代では低かったものの,中期世代ではr=0.6以上の高い値が得られた.粘着密度および穀皮のしわと麦芽品質との間の相関を求めたところ,穀皮のしわは麦芽エキス,エキス収量および評点と相関が高く,特に麦芽エキスと高かった.しかし,粘着密度とは明瞭な関係を持った形質は認められなかった.各形質について世代間相関を求めたところ,粘着密度,穀皮のしわ,麦芽エキスおよび評点はともに相関が比較的高かった.以上のことから,麦芽品質の中で最も重要た形質である麦芽ニギスは,穀皮のしわによって簡便に選抜できることが推定された.この方法は多数の材料を取り扱う初期から中期世代において有効であると考えられる.
- 日本育種学会の論文
- 1987-12-01
著者
-
瀬古 秀文
栃木県農業試験場栃木分場:(現)農業研究センター
-
氏原 和人
栃木県農業試験場栃木分場:(現)農林水産技術会議事務局
-
倉井 耕一
栃木県農業試験場
-
関口 忠男
栃木県農業試験場栃木分場
-
武田 元吉
栃木県農業試験場栃木分場
-
武田 元吉
栃木県農業試験場栃木分場:(現)東京大学農学部
-
倉井 耕一
栃木県農試
-
倉井 耕一
栃木県農業大学校
-
関口 忠男
栃木県農業試験場栃木分場:(現)栃木県公害研究所
関連論文
- グレインソルガム花粉の飛散時刻と飛散距離の推定
- 25 こんにゃくの収量形質と生育温度との関係
- 13 ビール麦の時期別の追肥と生育パターン・収量
- 28 こんにゃくの生育、収量形質間の関係およびこれらと品質形質との関係
- 17 栃木県における小麦「バンドウワセ」の播種適期
- 16 小麦農林61号の時期別の追肥の可否の判定基準
- 10 小麦の追肥時期別の生育的特徴
- 31 大豆無中耕・無培土栽培における栽植様式
- 17 実態調査によるビール麦の栽培条件と精麦特性 : 搗精時間、白度と栽培条件等との関係
- 麦類の光合成に関する生態学的研究 : 第3報 同化諸器官の光合成能力の生育時期別変化