イネの遠縁交雑のF1稔性に関する品種の親和性の検索
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概要
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イネの遠縁交雑のF_1稔性に関して広い親和性をもつ品種を見出す目的で,Aus群およびBulu群を主とする74品種を,代表的インド型品種(IR 36・50)および日本型品種(アキヒカリなど)のそれぞれひとつと交配し,F_1の花粉稔性および種子稔性を調べた。花粉稔性および種子稔性は互いに独立た形質であることが判明したので,各品種についてインド型とのF_1および日本型とのF_1のそれぞれについて,花粉稔性と種子稔性を調べ,これらの合計4項目についての稔性の良否から,親和性の型を決定した。 Bulu群24品種のうち15品種はインド型および日本型品種と正常な花粉稔性を示し,種子稔性については日本型とは正常で,インド型とは半稔性を示した。わずかに1品種がインド型および日本型の双方に完全に稔性を示し,6品種は双方と半稔性を示し,2品種は例外的た型を示した。Aus群27品種のうちインド型・日本型はそれぞれ6品種と5品種であり,5品種は双方に半稔性を示し,9品種はいずれとも判定できなかった。2品種がインドおよび日本型に対しほぼ正常た稔性を示した。有機質土壌,塩害もしくは干ばつに耐性のある15品種の検定においては,極端な感光性をもつ13品種のうち10品種は典型的なインド型であり,非感光性の2品種は典型な日本型であった。その他数品種の検査結果も含めて,結局Calotoc,CPSL0 17,Ketan Nangka,Padi Bujang Pendek,Aus373およびDularの6品種がインド型および日本型の双方に稔性を示したが,後二者のインド型テスターとの花粉稔性はさらに検討を要する。
- 日本育種学会の論文
- 1984-09-01
著者
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