2形質の比で与えられる草型指数による選抜の統計的性質
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概要
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従来、計量育種の研究対象は主に形質の絶対量であったが、育種家は、草型指数などとして、形質の相対比をしばしば重視している。この間隙をうめる見地から、形質比の統計的性質を調べ、実際への適用を試みた。2次元正規分布の2変数の比の統計的性質の検討から、構成2形質の統計量により、それらの比の統計量を推定する式を求めた。これらの式を水稲のF_3系統の成績に適用し以下の結果を得た。(1)形質比の遺伝力は、構成形質の統計量から推定でき、その値は2形質の表現型相関→大、遺伝相関→小のとき大きく、実際にかなり高くなり得る。(2)形質比とその分子形質の回帰式も、構成形質の統計量から、実際の値の分布と一致したものが得られた。(3)形質比と分子形質の相関係数も、近似度は劣るが、構成形質の統計量から推定できる。形質比の遺伝力は構成形質より高くなり得ることから、これによる選抜が効果的な場合上の結果から、その効果の推定ができよう。
- 日本育種学会の論文
- 1971-04-30
著者
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