Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の毒性試験(第1報)ラットおよびイヌにおける静脈内投与による単回投与毒性試験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ONO-1101 37.5, 75, 150および300mg/kgを6週齢のJcl:SD系ラット雌雄に, また25, 50および100mg/kgを7ヵ月齢のビーグル犬雄に, 各々単回静脈内投与し, 毒性症状と致死量について検討した。ラットでは, 37.5および75mg/kg投与群では雌雄とも一般状態に変化は認められなかった。150mg/kg投与群では雄の5/6例が投与中または投与直後に死亡したが, 雌では死亡例は認められず, 生存例の雌雄では自発運動減少, 呼吸緩徐あるいは呼吸困難, 振戦, 正向反射消失, 赤色流涙が認められたが, いずれも1〜5分後には消失した。300mg/kg投与群の雌雄では, いずれも全例が投与中に死亡した。また, 150および300mg/kg投与群の死亡例の多くでは, 赤色流涙が認められた。体重については, 150mg/kg投与群の雄の生存例1例では他の投与群に比べ, 体重増加に抑制傾向が認められたが, その他の投与群では, 雌雄ともに順調な体重推移を示した。剖検では, 300mg/kg投与群の死亡例で眼瞼周囲の軽度な汚染が認められたのみで, 他には特記すべき所見は認められなかった。イヌでは, 25mg/kg投与群では一般状態に変化は認められなかった。50mg/kg投与群では, 投与1分後に一過性の活動性低下が認められた以外には変化は認められなかった。100mg/kg投与群では投与直後より歩行異常, 横転, 呼吸促迫が認められ, その後, 呼吸数減少を示し, 無呼吸, あえぎ呼吸を呈して, 3〜6分後に死亡した。またこの間に***, 脱糞, 異常発声が観察された。生存例では, 25および50mg/kg投与群ともに順調な体重推移を示し, 食欲に対する影響も認められなかった。100mg/kg投与群の死亡例の剖検では, 異常所見は認められず, 重量に異常を示す器官は認められなかった。以上の結果より, 本実験におけるONO-1101の単回投与による最小致死量はラットで150mg/kg, イヌで100mg/kgであった。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1997-12-12
著者
-
藤田 常夫
小野薬品工業(株)
-
山口 康二郎
小野薬品工業(株)・福井総合研究所
-
山口 康二郎
小野薬品工業(株)福井安全性研究所
-
阿瀬 善也
小野薬品工業株式会社 福井安全性研究所
-
柳澤 幸宏
小野薬品工業株式会社 福井安全性研究所
-
難波 俊明
小野薬品工業株式会社 福井安全性研究所
-
米沢 秀利
小野薬品工業株式会社 福井安全性研究所
-
四宮 啓祐
小野薬品工業株式会社 福井安全性研究所
-
笠原 年春
小野薬品工業株式会社福井安全性研究所
-
笠原 年春
小野薬品工業株式会社 福井安全性研究所
-
四宮 啓祐
小野薬品工業(株)福井安全性研究所
関連論文
- 犬の実験的腎不全モデルを用いた透析時低血圧における一酸化窒素の役割
- Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の生殖・発生毒性試験(第4報) ラットの周産期および授乳期投与試験
- Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の生殖・発生毒性試験(第2報) ラットの器官形成期投与試験
- EP4agonist 投与によるラット大腿骨の経日的組織変化について
- ハムスターを用いた酢酸誘発大腸炎に対する好中球エラスターゼ阻害剤(ONO-6818)の作用(薬理学)
- シリアンハムスターを用いた酢酸誘発大腸炎モデルにおける潰瘍形成と好中球エラスターゼ活性の上昇(実験動物学)
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL]AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の毒性試験(第4報)ラットにおける静脈内投与による6カ月間反復投与毒性試験および1カ月間回復試験
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL]AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の毒性試験(第3報)イヌにおける静脈内投与による4週間反復投与毒性試験および4週間回復試験
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL]AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の毒性試験(第2報)ラットにおける静脈内投与による4週間反復投与毒性試験および4週間回復試験
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL] AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の毒性試験(第1報)ラットおよびイヌにおける静脈内投与による単回投与毒性試験
- Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の生殖・発生毒性試験(第1報) ラットの妊娠前および妊娠初期投与試験
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL]AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の生殖発生毒性試験(第3報)ウサギにおける静脈内投与による器官形成期投与試験
- Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の毒性試験(第2報) ラットにおける静脈内投与による4週間反復投与毒性試験および4週間回復試験
- Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の毒性試験(第3報) イヌにおける静脈内投与による4週間反復投与毒性試験および4週間回復試験
- SERUM TNF ACTIVITY HAD NO INFLUENCE ON MEGAKARYOCYTIC EMPERIPOLESIS IN THE RAT BONE MARROW
- Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の生殖・発生毒性試験(第3報) ウサギの器官形成期投与試験
- Lipopolysaccharide(LPS)投与ラット骨髄における巨核球emperipolesis(EP)の形態学的観察
- ラットのジメチルニトロサミン誘発急性肝障害に対するプロスタグランジンE_1・α-シクロデキストリン包接化合物(PGE_1・CD)の効果
- Lipopolysaccharide を投与したラットの骨髄における巨核球 emperipolesis の誘発(短報)
- F344ラットにおける仙尾骨部原発の脊索腫-骨組織の成分を伴った1例(短報)
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL]AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の生殖発生毒性試験(第2報)ラットにおける静脈内投与による出生前および出生後の発生ならびに母動物の機能に関する試験
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL]AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の生殖発生毒性試験(第1報)ラットにおける静脈内投与による妊娠前および妊娠初期投与試験
- Landiolol hydrochloride(ONO-1101)の毒性試験(第1報)ラットおよびイヌにおける静脈内投与による単回投与毒性試験
- SODIUM N-[2-[4-(2, 2-DIMETHYLPROPIONYLOXY)PHENYLSULFONYLAMINO]BENZOYL]AMINOACETATE TETRAHYDRATE(ONO-5046・Na)の毒性試験(第5報)イヌにおける静脈内投与による6カ月間反復投与毒性試験および1カ月間回復試験
- 16,16-Dimethyl-trans-△^2-PGE_1 methyl ester のサル子宮頚管開大作用
- Landiolol hydrochloride (ONO-1101)の一般薬理試験
- Sodium N-[2-[4-(2,2-dimethylpropionyloxy) phenylsulfonylamino]benzoyl]aminoacetate tetrahydrate(ONO-5046・Na)の一般薬理試験
- B6C3F_1マウスの精巣上体に認められた組織球性の腫瘍
- FOY-305の術後逆流性食道炎に対する作用(第1報) : 胃全摘後のラット逆流性食道炎に対するFOY-305の作用