黒ボク土の農地造成地における深層土壌の調査法

概要

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本論では深層土壌の概念を規定するとともに,火山放出物を母材とする深層土壌の調査手法を検討した.1)深層土壌の概念としては,1mまでの土壌および1mから地下水または岩石圏までの土層の両者を含めて考えた.2)深層土壌の調査方法を開発するために北海道勇払群早来町の国営農地造成で事前調査および現地調査を行った.調査地区に出現する深層土壌は基本的には上位から火山灰層,段丘堆積物層,新第三紀層(軟岩)の順で構成された.これらの土層の分布状況について,火山灰層は既存資料から作成した等層厚線図と現地調査により明らかにした.また,段丘堆積物層は空中写真判読から作成した地形面区分図と現地調査により,新第三紀層は地質調査によりその分布状況を把握した.3)深層土層の分布予測図を作成するため,調査地区の各土層の分布状況,造成地の地形図および造成計画図などを用いて造成にともなう深層土層の出現深度の特徴を把握した.そして,切土の等深度線図を作成し,深層土層の出現深度の特徴や地質図学をもとに予測図を作成した.4)造成完了後,深層土層の分布予測図を検証するため土壌調査を行った.その結果,いずれの深層土層ともほぼ予想された地点に出現したが,火山灰層,段丘堆積物層はいずれも予測図よりも分布が狭く,新第三紀層では各深層土層の厚さや走行方向に相違がみられた.
1994-04-05

黒ボク土の農地造成地における深層土壌の調査法

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