大野原泥炭の腐植および無機成分に認められた黒ボク土的性質
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概要
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大野原泥炭地の試料を,2mmを境に,粗画分と細画分に分け,後者につき,腐植酸の光学的性質,リン酸吸収係数,フルオライドpHおよびX線分析をおこない,以下の結果を得た。1)第1層群(30〜70cm)は,腐植酸の相対色度(5以下),フルオライドpH(9.4以下)が低い。第2層群(70〜150cm)は,腐植酸の相対色度(5.3以上),リン酸吸収係数(1500以上),フルオライドpH(9.4以上)が高く,陸性の黒ボク土に相当した。第3層群(150〜190cm)は,腐植酸の相対色度,リン酸吸収係数,フルオライドpHのいずれも黒ボク土に相当したが,腐植酸のアルコール沈殿割合は低く,黒ボク土腐植以外の成分が多いものと推定された。2)第2層群の粘土鉱物には,酸性分散画分は僅かであり,大部分がアルカリ性で分散した。酸性,アルカリ性分散両分のいずれもバーミキュライトおよびカオリン鉱物が主であった。3)以上の結果から,火山灰から生成した黒ボク土が湿原に流入した,と推定した。
- 日本ペドロジー学会の論文
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