アカホヤの粒径組成と風化程度
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概要
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九州の18地点のアカホヤを含む土壌断面をアカホヤの上部を覆うテフラの堆積状態によって3群(I群,II群およびIII群)に分け,それらの土壌断面から採取したアカホヤについて粒径組成を明らかにし,アカホヤの上部を覆うテフラの堆積状態とアカホヤの風化程度との関係について調べた.結果は以下のとおりである.1)アカホヤの粗砂含量は粒経画分中最も少なく,また噴出源から距離が遠くなるにしたがって指数関数的に減少するという,降下テフラに特徴的な変化を示した.2)細砂含量は粘土含量と密接な負の相関を示し,見かけ上細砂の減少量が粘土の増加量に等しく,細砂が粘土の主な給源であることが示唆された.3)シルト含量は風化度の異なるアカホヤ間でもほぼ一定の値を示した.4)粘土含量が,地表近くに位置しているアカホヤ(I群)>地表で一定期間土壌化作用の影響を受けた後,軽石層下に埋没したアカホヤ(II群)>地表で土壌化作用の影響を受けることなく地下深く埋没したアカホヤ(III群)の順に低くなった.このことは地表付近で土壌化作用の影響を最も長く受けたアカホヤで最も風化が進んでいることを示している.5)アカホヤの母材となったアカホヤテフラ(f_3)の細砂含量の噴出源から130km以上離れた地点での現在のアカホヤの細砂含量と粘土含量の合計量から70〜75%と推定した.この値は現在のアカホヤの細砂含量に比べてかなり高く,細砂部分が最も風化の影響を受けて減少していることを示唆する.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1994-04-05
著者
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