^<15>N空気溶存水利用による水田土壌におけるN_2固定量の測定法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
^< 15 > N空気溶存水利用による空気中窒素の水田土壌中での固定量の新定量法および半湿田と乾田化水田における空気中窒素の固定量について検討した. 1. ^< 15 > N 空気溶存水の調製法を検討した. 2. ^< 15 > N 空気溶存水中の^< 15 > N 濃度測定用放電管の作製法を開発した. 3. ^< 15 > N 空気溶存水利用による空気中窒素の水田土壌中での固定量の求め方は次のとおりである. ^< 15 > N を含んだ空気を溶存させた水を施用し, その田面水最下層の^< 15 > N 濃度変化を一定時間ごとに測定し, 再び^< 15 > N を含んだ空気溶存水を施用し, その^< 15 > N 濃度変化を一定時間ごとに測定する. 同様のことを何回かくりかえした後に土壌中^< 15 > N 濃度を求め, この^< 15 > N 空気溶存水施用中の平均^< 15 > N 濃度と土壌中^< 15 > N 濃度の両者から空気中窒素の水田土壌中での固定量を求める. 4. 空気中窒素と^< 15 > N 空気溶存水中の窒素との入れかわりによる^< 15 > N 空気溶存水の^< 15 > N%excessは, その初期値を^< 15 > N_0 とすると, ^< 15 > N = ^< 15 > N_0e^< -kt > で表わされた. ただし, kは^< 15 > N 空気溶存水施用i時間後のそれを^< 15 > N_I%excessとすれば, k = ln (^< 15 > N_i/^< 15 > N_< i+1 >) で与えられる定数である. ^< 15 > N 空気溶存水のスタート時からn時間後における平均^< 15 > N 濃度^< 15 > N%excessは[numerical formula]で与えられた. 5. ^< 15 > N空気溶存水を田面水排除後の圃場に施用すると, 施用直後からの^< 15 > N%excess値を急に低下させるが, 施用1時間後からは^< 15 > N = ^< 15 > N_1e^< -kt > で表わされる動きになっていた. ただし, ^< 15 > N_1は施用1時間後のその^< 15 > N%excessである. ^< 15 > N%excessの減少程度は地温の効果程度および降雨によって影響された. 6. 8月上旬の窒素固定による有機化量は半湿田で31mgN/m^2・dayであった. 7. 窒素固定量は半湿田では6月中旬は比較的多かったが, 下旬は少なかった. しかし, 7月中旬は多く, 8月に入っても比較的多かった. これに対して, 乾田化水田では6月中旬に多かったが, それ以後は次第に少なくなっていった. 作期中の窒素固定による固定化量は半湿田で2.1g, 乾田化水田で1.2gM/m^2であった.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1987-08-05
著者
関連論文
- ^15Nトレーサー法による水稲根の活力診断
- 42 水稲の登熟期における根および葉身の活力の推移(九州支部講演会要旨(その2))
- 34 イグサ栽培土壌における窒素の動態(九州支部講演会要旨(その2))
- 12 ^N利用による水稲の養分吸収能と根の活力診断(第2報) : 水稲の養分吸収能および根の活力の品種間差と生育(九州支部講演会要旨(その1))
- 12 ^N利用による水稲の養分吸収能と根の活力診断(第1報) : 水原258号およびニシホマレのトレーサー^N吸収速度(九州支部講演会要旨(その1))
- 3 細粒灰色低地土水田における施肥窒素および土壌無機化窒素の動態(九州支部講演会要旨(その1))
- 稲わら施用土壌における土壌および稲わら由来無機化窒素発現量とその有機化量の推移
- インキュベーションおよび圃場における地力窒素の動態と水稲窒素吸収量予測
- 水田における窒素の動態に関する^Nトレーサー法の理論的展開
- 細粒質グライ土水田におけるたい肥および稲わら施用が土壌無機化窒素の動態に与える影響
- ^N空気溶存水利用による水田土壌におけるN_2固定量の測定法
- 強粘質半湿田とその乾田化水田における土壌窒素の無機化とその有機化,脱窒および水稲による吸収
- 細粒質強グライ土水田における土壌無機化窒素の動態と堆肥6年連用との関係
- 細粒質グライ土水田における堆肥および稲わら春施用が施肥 NH_4-Nの動態に与える影響
- 9 アゾ色素発光分光分析法による^NO_3-Nの測定(関東支部講演会要旨)
- 細粒質強グライ土水田における施肥NH_4-Nと土壌無機化窒素の動態と堆肥3年連用との関係
- 表層および全層施肥NH_4-Nと土壌無機化窒素の有機化,脱窒および水稲による吸収
- 半湿田土壌における施肥および土壌無機化窒素の有機化,脱窒および水稲による吸収と堆肥施用量との関係
- 強粘質半湿田と乾田化水田における施肥および土壌無機化窒素の有機化,脱窒および水稲による吸収
- 湿田と乾田における施肥および土壌無機化窒素の有機化, 脱窒および水稲による吸収
- 水田土壌中における施肥窒素の有機化, 脱窒および水稲による吸収
- 水田土壌中の遊離アミノ酸の定量法とその動態
- 41 稲わら施用土壌における土壌窒素および稲わら窒素からの無機化とその有機化量の推移(九州支部講演会要旨(その2))
- 33 NH_4-Nからの硝化とその有機化,脱窒,吸収に関する^Nトレーサー法の理論的展開(九州支部講演会要旨(その2))
- 13 土壌吸着NH_4-Nと溶存NH_4-Nの有機化,脱窒,吸収,残存の動態(九州支部講演会要旨(その2))
- 12 施肥由来有機態窒素の再無機化量の求め方と「プライミング効果」(九州支部講演会要旨(その2))
- 13 地力窒素の簡易定量法とその動向予測(第1報) : 開放,密栓インキュベーションと圃場における地力窒素の動態(九州支部講演会要旨(その1))
- 7-14 施肥窒素および無機化窒素の動態と水稲生育(7.水田土壌の肥沃度)
- 11 水田における空気中窒素の固定に関する研究(第2報) : 半湿田と乾田における空気中窒素の固定量(九州支部講演会要旨(その2))
- 9 土壌窒素の無機化量の定量とその具体例(九州支部講演会要旨(その2))
- 発光分光分析法による重窒素定量法の改良