沖縄県宮古島におけるサトウキビへの施肥実態と地下水窒素濃度との関係
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概要
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宮古島における夏植サトウキビへの施肥実態を調査し、また城辺町野城湧水に含まれる硝酸態窒素濃度を長期観測した結果、以下のようなことを明らかにした。 1)1作当りの平均施肥窒素量は203kgha-1であり、指針値と比較して施肥量には問題がなかった。 2)施肥時期は栽培初期の10月中旬と12月下旬の2回をピークに短期集中している。 3)地下水試料に含まれた硝酸態窒素濃度の推移は、月降水量との間に有意な負の相関関係にあり、調査地点付近の地表に降った降水は1~2か月で湧水地点に到達すると考えられた。 4)同濃度は毎年同様な季節変動を示し、9~10月を転機に下降から上昇傾向に転じている。 5)同濃度の上昇は、栽培初期に短期集中して施される肥料窒素のうち、サトウキビに利用されない部分が即時的に地下浸透することにより引き起こされると考えられた。 6)夏植サトウキビによる肥料窒素吸収の効率化と、地下水硝酸態窒素濃度の低減を図るには、肥料種を緩効性肥料に変換するか、ウネ幅を現行よりも20~30cm広くとり、高培土に伴う施肥時期を3月頃に移動させることが適切と考えられた。
- 一般社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2001-08-05
著者
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