ダイズ栽培における栽植密度と収量構成要素との関係
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概要
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本実験は, 倒伏防止を図りつつ, 栽植密度を高めることにより, 10 a当り300 kg以上の収量を継続的に得られないか, また栽植密度の増加に伴って, 減少する程度が小さく, 従って密植による収量増に大きく貢献する形質は何であるか, 密植が増収をもたらす機構をどう理解すべきかなどについて明らかにする目的で, 1978, '80, '81年の3年間実施された。試験圃場は, 東北大学農学部構内圃場である。供試品種は有限伸育型の5品種である。栽植密度は, m^2当り6株から100株の範囲とし, 1株1本植とした。結果は以下の通りである。1. 収量は5品種とも栽植密度を高める程, 高まる傾向にあった。毎年10 a当り300 kg以上の収量を得るためには, m^2当り約25株以上の栽植株数, 1000以上の莢数, 開花期および登熟期のLAI 6.0以上が必要であった。但し, 25株/m^2以上の密植による増収を期待するためには, 倒伏防止技術の開発又は品種の耐倒伏性の大幅な改善が必要である。2. 6株/m^2時のm^2当りの各収量構成要素の相対値を100とした時, 第2表にあげた各要素のうち, m^2当り分枝数・節数を除いて, m^2当り100株の値が6株の値の約2.1〜3.4倍の範囲内にあった。しかし, m^2当り分枝数および節数は6株/m^2の値の約5.5, 6.1倍と高くなり, これが収量増に大きく寄与したことが示唆された。3. ライデンについてみると, 主茎節位別のm^2当り開花数は, 密植では中間節位に, 疎植では下位節に多かった。100粒重は, 最上位節が最も高く, 下位節になる程漸減した。
- 日本作物学会の論文
- 1990-06-05
著者
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