ゴールデンハムスターにおけるマレイン酸ヒドラジド添加タバコの吸入毒性

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タバコ脇芽防止剤, マレイン酸ヒドラジド(MH)添加タバコの吸入毒性試験を雄のゴールデンハムスターを用いて行なった.MHのナトリウム塩(MH-Na)およびディエタノールアミン塩(MH-DE)を1%添加したタバコを1群10匹より成るハムスターの2群に, Hamburg II型吸入装置を用いて標準喫煙法に従って吸煙させた.これを1回当たり8分間, 1日2回, 1週5日, 26週間行なった.対照群として, 対照タバコ煙吸入群, シャムスモークおよび無処置対照群をおいた.体重, 飼料摂取量を測定し, 血液学的, 血液生化学的および病理組織学的検索を行なった.すべてのタバコ煙吸入群において, シャムスモークおよび無処置対照群と比べ体重増加の抑制, 食餌効率の減少および血糖値の増加傾向が認められた.これらの変化はMH-DE添加タバコ煙吸入群で最も著しく, 対照タバコ煙吸入群と比較しても軽度ながら差を示した.また, 同群では尿素窒素値および総蛋白値がシャムスモーク対照群に比べ有意に減少した.一方, MH-Na添加タバコ煙吸入群においては, いずれの検査項目においても対照タバコ煙吸入群との差はほとんどなかった.病理組織学的には, すべてのタバコ煙吸入群の鼻腔, 喉頭および肺組織にタバコ煙吸入に起因すると考えられる変化が認められたが, その発生率および病変程度において群間の差はほとんどなく, MH添加による影響はとくに認められなかった.以上の結果, MHのディエタノールアミン塩は, 軽度ながらタバコ煙のハムスターに対する影響を増強するかもしれないが, ナトリウム塩としてはそのような効果を現わさないことが示唆された.
日本農薬学会の論文
1981-02-20

ゴールデンハムスターにおけるマレイン酸ヒドラジド添加タバコの吸入毒性

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