マウス, ラットにおけるマラチオンとカーバメート殺虫剤の相互作用
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概要
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マウス, ラットを用い, マラチオンとカーバメート殺虫剤の等効力混合剤の急性毒性(LD_<50>)を調べた.混合剤のLD_<50>(実験値)と単剤のLD_<50>から計算したLD_<50>(期待値)を比較し, 相互作用を示す比率として, LD_<50>(期待値)/LD_<50>(実験値)を用いた.雄マウスで検討した5種類の組合せのなかで, マラチオンとBPMCの混合剤は著明な協力作用を示した(比率, 5.4).しかしマラチオンと他のカーバメート殺虫剤(MTMC, NAC, XMC, MPMC)の混合剤では明確な協力作用は認められず, 0.7から1.6倍の比率がみられた.雌マウス, 雄ラットに対するマラチオン, もしくはBPMC単剤の急性毒性は雄マウスに対する毒性と比べ有意な差はなかった.雌マウスで, マラチオンとBPMCの混合剤を検討すると5.2倍の協力作用がみられ雄マウスと比べ性差はみられなかった.一方, 雄ラットでは, マウスに比べ比較的低い2.0倍の協力作用が認められた.マラチオンとBPMCの著明な協力作用は, マラオキソンとBPMCのアセチルコリンエステラーゼに対する直接作用, もしくはBPMCによるマラチオンの解毒阻害では説明できなかった.
- 日本農薬学会の論文
- 1983-02-20
著者
-
宮岡 貞次
Institute Of Environmental Toxicology
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津田 修治
(財)残留農薬研究所毒性部
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宮岡 貞次
Toxicology Division, Institute of Environmental Toxicology
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津田 修治
Toxicology Division, Institute of Environmental Toxicology
-
白須 泰彦
Toxicology Division, Institute of Environmental Toxicology
-
高橋 宏明
Toxicology Division, Institute of Environmental Toxicology
-
高橋 宏明
Toxicology Division Institute Of Environmental Toxicology
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