毒性試験における血液学的および血液生化学的検査のためのマダイのCuvier氏管からの採血法
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概要
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毒性試験における血液学的および血液生化学的検査に適した採血法を検討する目的で, マダイにおいてCuvier氏管採血法(CD)と汎用される尾静脈穿刺法(CVP)とを比較検討し, CDが有用であることが示された. Cuvie氏管は鰓蓋を押し上げると直視できるので, 熟練を要せず, 周辺組織に損傷を与えることなく採血が可能であった. CDによる採血量はCVPと同程度であったが, ときにCVPで生ずる血塊形成はCDでは認められなかった. CDによるものにくらべて, CVPによるサンプルの測定値は乳酸脱水素酵素(LDH)とクレアチンリン酸キナーゼ(CPK)活性は5〜6倍, グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)活性は1.5倍であった. CVPではこれら3種の酵素活性値の変動が大きく, かつ3者間の相関はCDにくらべて非常に強かった. CPKとLDHは筋肉中で高値であることから, CVPでは穿刺により損傷された筋肉からの酵素漏出があることが示唆された. その他の検査値には両法に差は認められなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1985-12-15
著者
-
深尾 隆三
残留農薬研究所
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池田 茂美子
残留農薬研究所
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津田 修治
残留農薬研究所
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倉若 欣司
残留農薬研究所
-
白須 泰彦
残留農薬研究所
-
津田 修治
(財)残留農薬研究所毒性部
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池田 茂美子
Mitsukaido Laboratories, Institute of Environmental Toxicology
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白須 泰彦
(財)残留農薬研究所毒性部
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池田 茂美子
Mitsukaido Laboratories Institute Of Environmental Toxicology
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