新規ピレスロイド剤であるケイ素を含むエーテル類の合成と殺虫活性

概要

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Dimethyl(phenyl)silyl部分と, m-phenoxybenzylまたは, m-phenoxypyridylmethyl部分を有する44個のエーテル化合物を合成し, ハスモンヨトウ, コナガおよびツマグロヨコバイに対する殺虫活性を測定した.Dimethyl(phenyl)silylmethyl 3-phenoxybenzyl ether類について, ケイ素に結合するフェニル基に, 4-OC_2H_5, 4-OCH(CH_3)_2, 4-OCHF_2のようなアルコキシ基を導入した化合物が, 高い殺虫活性を示した.フェニル基に4-OC_2H_5を有する化合物のベンジル基側フェノキシ基へ, F, C1, NO_2, OCH_3, NO_2, OCH_3基を導入すると, 4-F体を除き, 活性が急激に低下し, 置換基の種類と位置が活性に大きく影響することを示した.ベンジルエーテルをピリジルメチルエーテルに置換すると, 概して活性がやや劣る傾向が認められた.殺虫活性の高い化合物についてメダカに対する魚毒性を調べた結果, ピリジルメチルエーテル類に比べて, ベンジルエーテル類は, 非常に低い魚毒性を示した.これらの新規ピレスロイド化合物の中で, dimethyl(4-ethoxyphenyl)silylmethyl 3-phenoxybenzyl etherは, 最も高い殺虫活性と広い殺虫スペクトラムを有し, なおかつ, 著しく低い魚毒性を示すことから, 水田用殺虫剤としての有効性を示唆した.
日本農薬学会の論文
1989-02-20