フェニトロチオンおよび分解物の生理活性

概要

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3-ヒドロキシメチルフェニトロチオン, 3-ホルミルフェニトロチオンのような3位のメチル基が酸化されたフェニトロチオン誘導体はマウスに対してフェニトロチオンより強い急性毒性を示した.また, それらのオキソ体もフェニトロオキソンより毒性は強く, この結果は牛血球コリンエステラーゼ阻害活性のそれとほぼ一致していた.しかし, これらの化合物は殺虫活性をほとんど示さなかった.マウスに対して, S-メチルフェニトロチオンはフェニトロオキソンより毒性は弱く, アミノ誘導体はチオノ体, オキソ体にかかわらずフェニトロチオンより低毒性であった.3-メチル-4-アミノフェノールを除くすべての分解物はヒメダカに対してフェニトロチオンより低毒性であったが, ミジンコに対してはフェニトロチオン, フェニトロオキソンが最も強い毒性を示した.また, 3-ヒドロキシメチルフェニトロチオンを除くその他のフェニトロチオン分解物には, 哺乳動物肝薬物代謝酵素系の存在の有無にかかわらずSalmonella typhimuriumに対する突然変異性は認められなかった.
日本農薬学会の論文
1978-02-20