(+)-シスフェノトリンのラットにおける新代謝産物

概要

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ベンジル基を^<14>Cで標識した(+)-シスフェノトリン(3-フェノキシベンジル(+)-シスクリサンセムメート)をラットに200mg/kgの割合で経口的に与えたところ, 投与後, 3日間で65%の放射能が糞中に回収された.糞中代謝産物を, メタノール抽出, シリカゲル・カラムクロマトグラフィー, シリカゲル・薄層クロマトグラフィーで分離, 精製し, NMR, IRおよびマス・スペクトルを得, 合成標品との比較などによって, エステル結合を保持した新しい3個の代謝産物を同定した.( )の中の数字は投与量に対する%である.(1)ベンゼン環の4'位が水酸化されたもの(1.4%).(2)キク酸部分のプロペニル基の2'位のメチル基(二重結合に対しトランス位)が, カルボン酸に変化したもの(10.4%).(3)ベンゼン環の4'位, gemジメチル基の一つが水酸化され, かつ(2)と同じく, キク酸部分のメチル基がカルボン酸になったもの(2.1%).これらのエステル結合を保持した, シス型ピレスロイドの代謝産物のin vivoにおける分離, 同定は, これまで報告されていない.
1976-05-20