スミチオン^[○!R], クレマート^[○!R], デンマート^[○!R]の突然変異性
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概要
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農業用の殺虫剤スミチオン, 除草剤クレマート, および殺菌剤デンマートについて, その生物遺伝子にあたえる影響について, 枯草菌, 大腸菌, サルモネラ菌を用いて調べた.方法は, 1)栄養要求性株の非要求性への変異率の測定, 2)遺伝子欠損株と野生型株との増殖阻害の比較による遺伝子傷害性の検出であり, さらに哺乳動物に対する突然変異性を推定する方法として, 3)ラットおよびマウスの各種臓器のホモジネートを用いたin vitro薬物代謝系における突然変異体数変化の測定, 4)マウスを用いた宿主経由法による突然変異率の変化の測定を行なった.スミチオン, クレマート, デンマートの10mg/ディスクまたは1mg/mlまでの濃度範囲内では, 突然変異性, 遺伝子傷害性のいずれも検出されなかった.さらにin vitro代謝系中最大1mg/mlの濃度においても, 3化合物ともに突然変異性を示さず, 宿主経由法で1/2LD_<50>値の経口投与および筋肉内注射によっても, 突然変異性は検出されなかった.一方, 対照として用いたニトロソグアニジン, 2アミノアントラセン, ジメチルニトロソアミンでは, 上記3化合物よりはるかに低い濃度で突然変異性, 遺伝子傷害性が明らかになった.
- 1976-11-20
著者
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鈴木 裕
Research Department, Pesticides Division, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
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宮本 純之
住友化学工業
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鈴木 裕
Research Department Pesticides Division Sumitomo Chemical Co. Ltd.
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鈴木 裕
住友化学工業(株)農薬事業部研究部
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