日本と韓国における都市公園の開発政策と現状
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概要
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日本と韓国の都市公園行政の展開課程とその現状を比較し,両国が持つ政策上の相違点と問題点を検討した.日韓両国は都市公園の展開プロセスと当面する諸問題において多くの類似点を持っている.例えば,戦後の経済発展にあわせて都市公園が体系的に整備されたこと,公園のニーズの増大と公園開設との間に大きなギャップがあること,都市公園の配置が不均衡であることがその代表的な例である.他方,両国における指摘されるべき相違点は都市公園及び緑地の認識や取扱に関するものである.韓国では,日本が採用しているような総合的な緑地マスタープラン制度を持っていない.それぞれの都市が都市公園の配置計画を作成する.しかし,日本と異なり,都市公園配置計画が承認された時点で山林や農地などが都市公園と認定されてしまう.したがって,その後,山林や農地を購入し,整備しなければ,本当の都市公園とはならない.購入整備されない都市公園を未施設公園と呼んでいるが,それが現在(1994年)68%に達する. しかし,両国とも都市公園整備を強化していかねばならない点は共通しており,開発許可基準の見直しや配置の地域的均衡化などに一層の努力が求められていることを強調しておきたい.A comparative study was carried out on the development policies of urban parks in Japan and Korea, how they were developed and what kinds of differences have been made between the two countries. First, similarities in their history and current conditions had to be described. For examples, ①many urban parks have been established in every city during periods of economic growth. However, ② there is a big gap between need for parks and the actual establishment of parks resulting in a shortage of parks. Further, ③many parks have not been sited effectively in their respective cities. Secondly, differences in systems between the two countries should be discussed. ①Korea has not introduced a strategy such as the “Open Space Masterplan” Japan has used as a guideline for the establishment of urban parks. Therefore individual cities has to independently arrange open space plans in Korea. However, ②about 68% of planned park sites had not been completed as of 1994, because budgets had not been enough. Finally, both countries should raise their standards for development of urban parks and should consider a rational plan for the establishment of parks in urban residential areas.
- 九州大学の論文
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