若年者自然気胸の術中診断に基づいた術式についての検討 : 切除断端再発の観点から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1996年〜2001年の約5年間に自然気胸により陶腔鏡下手術を施行した25歳以下の若年者42例を対象とし,[○!A]切除断端未処置群,[○!B]フィブリン糊使用群,,[○!C]フィブリン糊+ポリグリコール酸フェルト使用群に分け再発率を検討した.また,切除断端に対する付加処置が妥当かどうかを検討するため,病巣所見を,病巣の数,占拠部位,性状にわけ,付加処置に応じた再発率の検討をおこなった.結果は[○!A]群で16例中3例(18.8%),[○!B]群で8例中2例(25.0%)の再発を認めた.[○!C]群では再発を認めなかった.また術中所見別では多発性,亜区域以上の症例で[○!C]群で再発を抑制する傾向を認め,スキップ状病変を有する症例では[○!C]群で有意に再発を抑制した.一方,単発もしくは連続性ブラで,限局性の病変では3群いずれも再発を認めなかった.以上より,フィブリン糊+ポリグリコール酸フェルトによる切除断端に対する付加処置は,多発,スキップ状病変に対しては有効であるが,単発,限局性のブラに対しては必ずしも有効とは言えない可能性がある.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2003-05-15
著者
-
野田 雅史
仙台厚生病院呼吸器外科
-
磯上 勝彦
宮城県立循環器・呼吸器病センター呼吸器外科
-
小林 俊介
宮城県立循環器呼吸器病センター 呼吸器外科
-
小林 俊介
宮城県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器外科
-
野田 雅史
宮城県立循環器呼吸器病センター呼吸器外科
-
磯上 勝彦
宮城県立循環器・呼吸器病センター 呼吸器外科
関連論文
- I-32 内視鏡的高周波切除を施行した気管原発平滑筋腫の1例
- 11.一期的に肺癌肺切除と拍動下CABGを行った1例 : 第38回日本肺癌学会東北支部会
- 肺癌切除後に発症したChylopericardiumの1治験例
- 肺に原発した悪性リンパ腫の手術経験
- 588 肺腺癌が多発した一家系
- P-393 顆粒細胞腫を合併した切除肺癌の一例(示説,症例2,第40回日本肺癌学会総会号)
- 第35回日本肺癌学会東北支部会 : 4.肺小細胞癌の手術成績
- 巨大縦隔腫瘍に対するClam shell及び胸骨釣り上げアプローチ法による可及的摘除例
- P12-3 肺原発functional paragangliomaの一例(ポスター12 その他の腫瘍2)
- P-246 胸腔鏡下自然気胸手術の術中所見と病理所見の比較 : 切除線再発症例の予測(肺嚢胞1)(一般示説26)