パン生地の物性, イーストの発酵能および製パン性に及ぼす小麦全粒粉混入の影響
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概要
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小麦全粒粉混入がパン生地の物性およびS.cerevisiaeのガス発生力に及ぼす影響を検討するとともに、小麦粉全粒粉の混入割合を0、25、50、75、100%と5段階設定し、その製パン性について検討した。結果を要約すると以下のようになる。1)ファリノグラフにより吸水率を測定した結果、小麦粉全粒粉はパン用小麦粉に比べ1.3倍の吸水率を示した。2)テクスチュロメーターによる生地の硬さは、水分一定生地の場合は、混入割合の増加とともに硬くなり、凝集性は低下した。吸水率より算出した最適水分量に調整した場合の生地の硬さおよび凝集性は、いずれの混入割合においてもパン用小麦粉とほぼ同等になった。3)小麦粉全粒粉はS.cerevisiaeのガス発生力に悪影響を与えず、水分一定生地の場合の、トータルガス発生量および内臓ガスは量は、いずれの混入割合でもほぼ同程度であった。水分調整生地の場合は、小麦粉全粒粉混入割合の増加にともないトータルガス発生量および内臓ガス量の増加が認められた。4)パンの品質評価の結果、小麦粉全粒粉を25〜50%混入し、水分調整したものが好まれることが明らかになった。
- 日本調理科学会の論文
- 1993-11-20
著者
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