『職員會誌』から見た昭和初期の樟蔭女子専門学校 : 樟蔭学園草創期資料のデータベース化とその活用(1)
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概要
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樟蔭学園は、一九一七年(大正六)に樟蔭高等女学校を開学して以来、女子教育の担い手として関西でも有数の歴史と伝統を有している。ところが、その中核を担う大阪樟蔭女子大学では、近年、他大学で開講されているような「大学史」等の科目を未だ開講するに至っていない。その理由としては、それを開講するに足りる材料が提供されていないことが指摘できよう。かかる認識の下、筆者は、「大学史」等開講のための材料を提供することを目指し、「樟蔭学園草創期資料のデータベース化とその活用」と題する共同研究を、竹内さおり氏とともに開始した。本稿は、その共同研究の成果の一部である。 樟蔭学園には、大学の前身となる樟蔭女子専門学校(樟蔭女専)の昭和戦前期の職員会議議事録『職員會誌』が残されており、筆者は、その翻刻作業を試みつつある。その課程で、『職員會誌』の中に戦前期の女子専門学校の存立を左右したと評価されている、中等教員無試験検定に関わる記事を多数確認した。そこで本稿では、それらの記事を翻刻紹介するとともに、その内容に加えて、当時の伊賀駒吉郎校長や在学生の回想をもとに、創立後間もない昭和初期の樟蔭女専の具体相の一端を明らかにした。そして、樟蔭女専にとって、この中等教員無試験検定の認可が、いわゆる「樟蔭ブランド」の確立に大きな画期となる出来事であったことを指摘した。 樟蔭学園には、今回取り上げた『職員會誌』以外にも、学園の歴史や特色を明らかにする上で貴重な史料が未調査のまま残されている。学園には、それらの保存と活用について尽力されることを切に期待したい。
- 大阪樟蔭女子大学の論文
- 2005-03-08
著者
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