ハルスデルファー『女性対話集』について
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概要
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本稿の目的は、ドイツ・バロックの詩人ハルスデルファーの編纂した全8巻の定期刊行物『女性対話集』(1641-1649)の概要を把握することにある。同書は社交上の対話の練習という体裁をとりながら、バロック特有のエンブレムへのアプローチをはじめとして、当時の文化的諸要素を網羅した一種の百科全書的趣をもち、注目すべきは第4巻に、楽譜の現存するドイツ語最古のオペラとされる《永遠の魂》(1644)が掲載されていることである。考察においては、作品が発表されたニュルンベルクの都市の姿を多面的に捉えることに始まり、ハルスデルファーを中心としてニュルンベルクで結成された言語協会「ペーグニッツ詩華団」について触れる。次に『女性対話集』の成立の経緯と内容を概観し、そこに収録された音楽作品のうち、特に音楽劇を中心に取り上げ、最後に同書に見られるバロック的特性を検討する。
- 国立音楽大学の論文
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