アワヨトウ成虫の羽化から産卵までの行動
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概要
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アワヨトウ成虫の羽化から産卵までの一連の行動について室内観察を行なった。(1)成虫の羽化消長は消灯前後に明らかなピークがみられ, 羽化成虫が飛翔できるようになるまでに約3時間を必要とした。(2)成虫の活動と日令の関係についてみると, 羽化後2日目までは日暮れ時と夜明け時のみに活動のピークがみられるが, 3日目になると日暮れ時のほかに, 23時以降にも活発な飛翔が行なわれ, 雌ではコーリングが開始された。4日目では雄の活動パターンは前日とほぼ同様であったが, 飛翔時間は増加した。未交尾の雌は日暮れ時から夜明け時まで連続して活発に翔飛し, 飛翔の合間にコーリングと産卵をくり返したが, 雄・雌ともに夜明けの数時間から数十分前に活動を停止する個体があらわれ, この傾向は日令が進むにつれて強まった。(3)吸蜜は日暮れ直後に最も多く見られた。吸蜜量は日令によって変化し, 2・3日目が多く, 5日目以降は少なかった。(4)交尾は3日目から観察されたが, 4日目に交尾した個体が最も多かった。交尾は20時頃(日暮れ1時間後)から始まり, 1〜2時頃にピークが見られた。雌の平均交尾回数は約2回であった。(5)産卵は暗期の前半, とくに日暮れ1時間後にピークが見られ, 暗期の後半にはコーリングが観察され, 2回目以降の交尾が行なわれた。産卵数は産卵が初めて行なわれた日が最も多く, 日令が進むにつれて減少した。(6)以上のように, 成虫の行動は日令が進むにつれて変動したが, 今回の実験から成虫のどの段階の行動が集団移動や集中産卵に結びつくのかについては, 明白な知見を得ることはできなかった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1979-05-25
著者
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