ダイズサヤタマバエ, Asphondylia sp. (双翅目, タマバエ科) の分布南限
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概要
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ダイズサヤタマバエはこれまで本州(青森以南)と四国, 九州(種子島以北)だけに分布していることが知られていた。しかし, 同属近縁種が奄美大島や沖縄県にも分布していることや, 本種の寄主範囲がマメ科植物以外にも及ぶ可能性を考慮に入れると, 本種がこれらの地域に分布していても不思議ではない。そこで, 鹿児島県名瀬市と沖縄県東村でダイズを栽培し, 本種による加害の有無を調べたところ, 1982年8月23日に名瀬市で播種したダイズに被害莢から得られた蛹を飼育して成虫を羽化させ, 形態計測を行い, 鹿児島市や埼玉県産の標本と比較した結果, ダイズサヤタマバエであることを確認し, 本種の分布南限を奄美大島に改めた。沖縄県で栽培したダイズには被害莢が見られなかったが, 今回の結果や, 最近, インドネシアでも本種らしいタマバエが得られていることから, 沖縄県からも, 早晩, 本種が発見される可能性は高いと思われた。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1983-11-25
著者
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