スギタマバエ(双翅目 : タマバエ科)幼虫のジャンプ行動
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概要
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スギタマバエ(Contarinia inouyei MANI)の終令幼虫のジャンプ行動を, 室内の均一な照明条件下, および不均一な照明条件下で調査した.その結果は次のように要約される.1. 均一照明下では, ジャンプは約30秒に1回の割合で行われ, 平均ジャンプ距離は62.8mmであった.また, 不均一照明下での平均ジャンプ回数, および平均ジャンプ距離は均一照明下の結果と有意な差はなかった.2. 着地直後, 幼虫の頭はジャンプ直前の頭の方向か, またはその反対方向に向いていることが多かった.これは, 幼虫が空中で体の正中線に沿って回転しているためであると考えられた.3. 着地後, 次のジャンプまで幼虫が大きく体の向きを変えることはあまりなく, 這うことも少なかった.4. 均一照明下では, 幼虫は特定の方向にジャンプしているのではないことがわかった.しかし, 不均一な照明下では, 幼虫に明らかな正の走光性がみられた.5. ジャンプ行動は幼虫がゴールから脱出し営繭地に到達するための適応的な手段であると思われた.しかし, 地上での分散には寄与していないと判断された.
- 1979-12-25
著者
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