エンドウ-スイカ作付圃場および畦畔植生におけるカンザワハダニの発生と移動
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概要
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和歌山県中部地域のエンドウ-スイカ作付栽培圃場とその畦畔植生において,カンザワハダニの発生調査を行った.スイカは6∼7月に収穫した後は茎葉が枯れ上がり,夏期にはカンザワハダニは圃場内で認められなくなったが,畦畔植生のクサギでは密度はきわめて低いものの発生し,8月にエンドウが播種されるとクサギからエンドウに移動した.その後,発生密度が徐々に高くなり,11∼12月に発生ピークとなった.一方,クサギ上の個体は,クサギが落葉すると下草のカラスノエンドウ(一部はアケビ)に移動し越冬した.スイカが3月下旬に定植されると,カラスノエンドウからスイカに移動した.休耕圃場周辺のクサギにおいても4∼12月に継続して発生したことから,クサギにおける発生には圃場からの移動が必ずしも関与していないと考えられた.カンザワハダニは圃場で薬剤淘汰を受けても,畦畔植生上の薬剤淘汰を受けていない感受性個体群との交雑があるために薬剤感受性が高く保たれていると考えられた.
- 1999-08-25
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