ヒト上顎犬歯圧刺激により誘発される対側側頭筋の興奮性反射応答
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概要
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ヒト歯根膜感覚の咀嚼運動, 特に作業側から中心咬合位への側方運動調節における役割を調べるため, 作業側上顎犬歯の圧刺激に対する, 側頭筋前部motor unitの応答変化について検討を行った.被験者は顎口腔系に異常の認められない者4名とした.圧刺激の大きさは約500gとし, 舌側から唇側方向に加えた.側頭筋motor unitは, 針電極により, 自発放電しているmotor unitを選択的に導出した.上顎犬歯に刺激を加えている間, 上下の歯は接触させず, 下顎の位置は切歯点で約2mm側方へ偏位させた状態を保ち, MKGを用いて被験者にフィードバックさせた.その結果, 作業側上顎犬歯の持続的機械刺激に応じて, 反対側側頭筋に持続的な応答が認められた.同側側頭筋の応答は, 反対側側頭筋の応答に比べ著明ではなかった.2%Xylocaineによる麻酔により歯根膜感覚を遮断した後, 反対側側頭筋の応答は, 徐々に減少し, ほとんど応答しなくなった.したがって, この反対側側頭筋の応答は, 歯根膜感覚により誘発されたものであることが示された.犬歯圧刺激に対する応答を示した自発放電している側頭筋motor unitは, 実際のガム咀嚼時にも活動が認められ, 特に作業側から中心咬合位への側方運動時に関与していることが明かとなった.以上より, ヒト作業側犬歯歯根膜感覚入力により反対側側頭筋筋活動を調節する反射機構の存在が示唆された.
- 日本顎口腔機能学会の論文
- 1994-12-21
著者
-
相馬 邦道
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野
-
戸田 一雄
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 口腔機能再建学講座 疼痛制御学分野
-
戸田 一雄
東京医科歯科大学歯学部生理学
-
藤田 幸弘
東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第1講座
-
相馬 邦道
東京医科歯科大学 歯
-
鎌田 茂
東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第一講座
-
鎌田 茂
東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第1講座
-
相馬 邦道
東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第一講座
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