咬合状態と各種食品の「食べやすさ・食べにくさ」 : 食品摂取アンケート調査と食品テクスチャー測定を基に

概要

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不正咬合者はどのような食品を主観的に「食べやすい・食べにくい」と感じているかを検討するため, 不正咬合者70名と正常咬合者20名について, 51品目の食品摂取アンケートを実施した.その結果から「食べにくい」と訴える程度を咀嚼困難スコアとして数値化し, 両群間の比較を行った.また, 不正咬合群を叢生, 空隙歯列, 上顎前突, 反対咬合, 過蓋咬合, 開咬に分類し, 各群と正常咬合者群との比較を行った.さらに被験食品のテクスチャーとして「かたさ」, 「弾力性」, 「凝集性」, 「付着性」を測定し, 咀嚼困難スコアとの関連性を検討した.その結果, 咀嚼困難スコアは, 1. 正常咬合群は, 各テクスチャーが大きい食品を除き, 顕著に小さい値であった.2. 正常咬合群に比べ, 叢生群, 反対咬合群, 開咬群において有意に大きく, 特に反対咬合群, 開咬群において顕著であった.3. 正常咬合群においては, 「かたさ」, 「凝集性」, 「弾力性」の大きい食品と, 小さい食品との間に有意差は認められなかったが, 反対咬合群と開咬群においては, 「かたさ」, 「凝集性」, 「弾力性」の大きい食品は小さい食品に比べ, 有意に大きい値となった.また, 反対咬合群において, 「付着性」のある食品はない食品に比べ, 有意に大きい値となった.以上の結果より, 日常の食生活において, 叢生, 反対咬合, 開咬を呈するものはさまざまな食品を「食べにくい」と感じていること, なかでも反対咬合, 開咬を呈するものは「かたさ」, 「凝集性」, 「弾力性」の大きい食品を「食べにくい」と感じていることが示唆された.
2005-10-25

咬合状態と各種食品の「食べやすさ・食べにくさ」 : 食品摂取アンケート調査と食品テクスチャー測定を基に

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