共鳴カードを用いた知性の共鳴現象の解析(4) : 種々の生理的指標による共鳴力の特徴付け
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概要
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われわれは先の一連の研究で高次の精神活動における共鳴現象を具体的なメッセージに注目して定量的に解析する手法を確立した。その手法では数字や文字のようなデジタル情報が任意の人数の集団でどのような共鳴をどの程度引き起こすかが解析できる。方法の概略は、参加者を着席させて、定められた指示に従って任意に思い浮かぶ情報をカードに記入させ、隣接する者同士での一致の度合い(すなわち、共鳴の度合い)をスコアとして与えて、確率論的な道具で評価するものである。今回はその手法を用いて「通常ゲーム」と「八漢字ゲーム」という二種のゲーム・ルールの下で、共鳴を意図しないで行う試行(ニュートラル試行)と、共鳴を意図して行う試行(ポジティブ試行)と、共鳴しないことを意図して行う試行(ネガティブ試行)の三種の試行を、十週間にわたり計37回繰り返した38名のデータを解析した。高いスコアを得た人を「共鳴者」と呼ぶと、本研究では、スコアを加算した累積スコアと二十種類の生理学的な指標との相関解析を通じて共鳴者を特徴づけることを目指した。解析の結果、共鳴者には、年齢が高く、女性が多く、身長も低く、体重も低く、やせており、握力は低く、七種の訴えで定義づけられる種々の身体不調を持つ、という諸傾向があることが明らかになった。これらの結果は、「共鳴者」の集団が、確率的な蓋然性によって決まる抽象的な集団を指すのではなく、具体的な生理学的特徴で裏付けられる現実的な集団であることを示す。
- 1999-03-01
著者
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