共鳴カードを用いた知性の共鳴現象の解析(2) : 三種の試行の比較
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概要
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われわれは先の研究で高次の精神活動における共鳴現象を具体的なメッセージに注目して定量的に解析する手法を提案した。その手法では数字や文字のようなデジタル情報が任意の人数の集団でどのような共鳴をどの程度引き起こすかが解析できる。方法の概略は、参加者を着席させて、定められたルールの下で任意に思い浮かぶ情報をカードに記入させ、隣接する者同士での一致の度合いを検討し、確率論的な道具で評価するものである。今回はその手法を用いて共鳴を意図しないで行う試行(ニュートラル試行)と共鳴を意図して行う試行(ポジティブ試行)と共鳴しないことを意図して行う試行(ネガティブ試行)の三種を初めて同日に行った12の集団(530名)のデータを解析した。三試行とも情報の一致の度合いは先の研究で理論的に予想された範囲によく収まった。ポジティブ試行の一致の度合いはニュートラル試行の一致の度合いより高くなり、ネガティブ試行の一致の度合いはニュートラル試行の一致の度合いと有意差がなかった。この結果は「ポジティブ試行の場合、参加者が情報を選択する確率分布の不均一性を主として集団毎に増す効果によって成立した」と評価した先の研究結果を支持する。さらに、ネガティブ試行では情報を選択する確率の分布が他の二法による分布と異なるにも関わらず、結果としてニュートラル・トライアルと同程度の一致度を持つという興味深い事実が成立した。
- 1998-03-01
著者
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