『日本永代蔵』の主題
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概要
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『日本永代蔵』の主題についての論究は現在まで多くの先学によってなされている。作品の主題は作品の文芸性の追及でなければならない。『日本永代蔵』の主題は西鶴が『日本永代蔵』で書いている本質性の究明でなければならなく、文芸性を捉えなければならない。『日本永代蔵』六巻六冊各巻五章合計三十の短篇小説集であるが、各短篇の主題について文芸性の観点から追及し究明した。巻一から巻四までと巻五巻六とは一度に書かれたものではなく、二度に分けて執筆されている事は文献学的・書誌学的な観点からもいいえるが、文芸の成熟度、文芸性の観点からもいうことができる。巻一から巻四までの作品は文芸として昇華されているが、巻五巻六の作品は教訓的・素材的未熟の作品である。『日本永代蔵』の主題の第一は世の人心の究明であり、第二は才覚・始末等人間の行き方、人生如何に生きるかの問題であり、第三は人間の力の限界、神の認識であり、第四は算用その他の町人生活の方法であり、第五は商業資本主義の社会構造の把握である。
- 山梨英和大学の論文
- 1992-12-10
著者
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