酸化的ならびに還元的条件下の土壌中における各種土壌微生物群の挙動
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概要
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1)畑地状態と水田状態における土壌のEhの変化と微生物の変動を2種の土壌について検した。2)一般に有肥上壌は無肥上壌に比して畑状態,水田状態ともに土壌中徹生物の数は豊富である。3)また有肥田,無肥田のいずれの土壌においてもその水田状態は畑状態にくらべてEh値は一般に低い。なお水田,畑状態ともに下層土のEhは表層部にくらべて低下する。この傾向は一般に畑状態におけるより水田状態において顕著にみとめられた。4)かくして水田は酸素の欠乏した還元的条件下にあるが畑状態の土壌は水田にくらべて酸素の豊富な酸化的傾向下にあるものと考える。5)土壌を水田状態にすると畑状態におけるよりも脱窒菌,硫酸還元菌その他の一般嫌気性細菌の増殖が顕著に認められる。この傾向は上層部より下層部において著しい。特に硫酸還元菌は脱窒菌や他の一般嫌気性菌に比してその嫌気性が強く土壌の下層部Ehの低下部位において顕著に増殖することが認められた。6)水田土壌中に多く存在する一般の嫌気性細菌の大部分は条件的嫌気性細菌で酸素のあるところで好気性菌なみの生活を営みうる細菌であることがみとめられる。従って一般好気性細菌のpopulationは畑地におけるよりむしろ水田状態の土壌中に多く存在するものと考える。7)FungiとActinomyceは水田よりも酸化傾向下にある畑地に多く見出された。
- 近畿大学の論文
- 1980-03-15
著者
-
松本 貞義
近畿大・農
-
松本 貞義
近畿大学農学部農芸化学科
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松本 貞義
近畿大学農学部農芸化学科植物栄養学研究室
-
柘植 利久
近畿大学農学部農芸化学科・肥料学研究室
-
柘権 利久
近畿大・農
-
柘植 利久
近畿大学農学部農芸化学科 土壌肥科学研究室
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