奈良県樫辻地区における造成樹園地上土壌の理化学性と土壌動物
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概要
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造成樹園地の熟畑化の様相とこれに関与する土壌動物について,開園経過年数が異なる樹園地で調査研究を行なった。その結果は次のように要約される。1)造成開園後の営農年数経過に伴って土壌炭素量や窒素量の富化が認められ,3年区に比べ25年区では土壌の細砂や粘土画分が約40%も増加して熟畑化の傾向にあった。2)造成開園間もない3年区の土壌動物生息個体数は25年区に比べ1/4程度であった。小形土壌動物群ではダニ・トビムシ・線虫・ヒメミミズ類が多く,大形土壌動物ではミミズ・ダンゴムシ類が通年採取された。しかし,土壌pHの上昇に伴いヒメミミズ類の優先割合が減少した以外,土壌動物と土壌の理化学的性質との関係は明瞭ではなかった。3)大形土壌動物であるミミズの飼育実験から,土壌有機物や腐植の生成に少なからず土壌動物の関与が示唆された。
- 1986-06-05
著者
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