生きたスギ樹幹内のミネラル分布
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概要
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5,10および12月にスギ樹幹全域から,できるだけ多くの試料を得た。それらについて灰化法により全灰分量を,そしてナトリウム,カリウム,マグネシウムおよびカルシウムのようなミネラルを原子吸光光度計によって分析定量し,生きたスギ樹幹内でのこれらミネラルの分布パターンを調べた。その結果は次のようであった。1)師部,辺材,移行材(白線帯)および心材部での全体的な分布傾向を追認した。2)上記各部内でも,樹幹全体を見渡すと,これらの分布置には予想以上の差のあることが明らかになった。3)師部および当年生木部における,これらの含有量は樹高によって大きく異なった。4)心材形成との関係で注目されている白線帯での含有量変化は隣接した辺材部とは区別し難かった。5)心材最外部で興味ある傾向が例えた。特に,5月の試料木において4ミネラルともに高い蓄積が認められたが,12月のそれではこの突出した蓄積が認められなくなるようであった。6)全体的に,5月のミネラル分布は変化に富んでおり,あたかも,生きているスギの生理変化に対応しているかのようであり,12月のそれは単調になっていることが伺えた。
- 岐阜大学の論文
- 1985-12-15
著者
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