ローズウッド材の退色障害予知について
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概要
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代表的な銘木であるローズウッド(Dalbergia及びMachaerium属,マメ科)の退色障害について検討した。まず,退色原因成分がメタノール抽出物のエーテル可溶部に集中的に分配されてくることを陽光暴露試験によって確かめた。この可溶部について退色障害に関係する成分を中心に検索し,7種の化合物,4-methoxydalbergione, R-latifolin, γ-(2-hydroxy-4, 5-dimethoxyphenyl)-cinnamaldehyde (推定),dalbergin,5-hydroxy-6-methoxy-3-methyl-2-phenylbenzofuran,liquiritigenin及びisoliquiritigeninを単離した。さらに,4-methoxydalbergioneのようなキノン系化合物含有量が個体によって差があり,この多少が本材の退色発現の程度と相関々係にあることをGLC分析とローダニン・アンモニア試薬の呈色程度で確認した。以上から,本材取扱いに経験のない作業者がこの呈色反応を利用してその退色障害を予知する方法を提案した。
- 岐阜大学の論文
- 1983-12-15
著者
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北川 敦士
岐阜大学農学部林学科樹木生理化学研究室
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大橋 英雄
岐阜大学農学部
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堀田 誠司
岐阜大学農学部林学科樹木生理化学研究室
-
今村 博之
岐阜大学農学部林学科樹木生理化学研究室
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今村 博之
岐阜大学農学部林学科樹木生理化学研究室:(現)九州大学農学部
-
大橋 英雄
岐阜大 農
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