美術鋳物用鋳型砂の物理的性質
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概要
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美術鋳物の分野では木節粘土,山砂および川砂が生砂として用いられている。一方,紙土,玉土および荒土は合成砂または粘土として用いられており,これらは木節粘土と真土から作られる。本実験ではこれらの砂または粘土の物理的性質について熱分析,X線回折分析および走査型電子顕微鏡観察の結果から検討した。得られた結果は次の通りである。(1)木節粘土はカオリナイトとムスコバイトを主成分とする水酸化鉱物からなっている。これら水酸化鉱物は鋳型に可塑性を与えるが,加熱中に鉱物中の水酸化イオンが水蒸気に分解,放出し,鋳型の収縮の原因となる。(2)紙上は主に石英からなり,鋳型の耐熱性,鋳型の内部表面の熱収縮の制御,鋳物表面の平滑さと美麗さを与える。(3)荒土は耐熱性の石英ならびに結合剤としての長石からなり,アルバイトやアネサイトを含む。これら二つの主成分は鋳型に強度を与える。
著者
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横田 勝
国立高岡短期大学
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横田 勝
高岡短期大学産業工芸学科
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横田 勝
Faculty Of Art And Design University Of Toyama
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三船 温尚
高岡短期大学産業造形学科
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清水 克朗
高岡短期大学産業造形学科
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三船 温尚
Faculty Of Art And Design University Of Toyama
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麻生 三郎
高岡短期大学産業工芸学会
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横田 勝
高岡短期大学
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